プリントコンポーザの概要
プリントコンポーザはレイアウトと印刷機能を発展させて提供しています. これによってQGIS地図キャンバス,テキストラベル,イメージ,凡例,スケールバー,基本図形,矢印,属性テーブルとHTMLフレームのようなエレメントを追加することができます. ここではそれぞれのエレメントのサイズ変更,グループ化,整列,配置,回転を行い、プロパティを調整してレイアウトを作成することができます. レイアウトは印刷またはイメージ形式,PostScript,PDFまたはSVGで出力できます (最近の いくつかのQt4バージョンではSVGへの出力は適切に動作しません; これを動かす場合はあなたのシステムで個別にチェックして下さい). レイアウトはテンプレートとして保存して別のセッションでロードして使うことができます. 最後に多くの地図をテンプレートにもとづいて作成する作業が地図帳作成機能で行えます.
プリントコンポーザで作業を始める前にいくつかのラスタやベクタレイヤをQGISマップキャンバスにロードしてそれらのプロパティを必要に応じて調整してください. あなたの好みの地図が描画されたらツールバーの 新規プリントコンポーザ アイコンをクリックするか を選択して下さい. 新しいコンポーザのタイトル入力プロンプトが表示されます.
地図の作成手順を実際に示します. 次のように操作してみてください.
左側ツールバーの 新規地図を追加 ボタンを選び,左マウスボタンを押しながらキャンバスに四角形を描きます. すると四角形の内部にQGIS地図ビューが描かれます.
左側ツールバーの 新規スケールバーを追加 ボタンを選び,左マウスボタンでプリントコンポーザキャンバスに地図アイテムを配置します. スケールバーがキャンバスに追加されます.
左側ツールバーの 新規凡例追加 ボタンを選び,左マウスボタンを押しながらキャンバスに四角形を描きます. すると四角形の内部に凡例が描かれます.
左側ツールバーの アイテムを選択/移動 ボタンを選び,キャンバスの地図を選んで少し動かします.
地図アイテムが選ばれている間は,地図アイテムのサイズを変更することもできます. 地図のコーナーの小さな白い四角形のところで左マウスボタンを押し,新しい位置までドラッグしてサイズを変更します.
右側下パネルの アイテムプロパティ タブをクリックし,地図の傾きの値を確認します. 地図の傾き を ‘15.00° ‘ に変更してください. 地図の傾きが変わります.
これで,コンポーザメニューのエクスポートツールを使い,プリント構成を印刷またはイメージフォーマット,PDF,SVGでエクスポートできます.
最後に プロジェクト保存 ボタンでプリントコンポーザの設定を保存することができます.
コンポーザには複数のエレメントを追加できます. 複数の地図や凡例やスケールバーをプリントコンポーザキャンバスに配置したり,単一か複数のページを構成することもできます. それぞれのエレメントは独自のプロパティを持ち,地図の場合は独自の領域を持てます. 任意のエレメントをコンポーザキャンバスから削除したい場合 Delete または Backspace キーで可能です.
コンポーザーマネジャはプロジェクトでプリントコンポーザを管理するメインウィンドウです. プリントコンポーザの新規追加, 既存の複製, 名称変更や削除の手助けとなります. コンポーザーマネージャのダイアログを開くには, ツールバーの コンポーザーマネージャー ボタンをクリックするか, メニューで を選びます. QGISメインウィンドウから でも表示できます.
Figure Composer Manager:
コンポーザーマネージャの上の部分には, プロジェクトの可能なプリントコンポーザの一覧が表示されます. 下の部分には以下のツールがあります:
選んだコンポーザ (複数可) の表示: ワンクリックで複数のプリントコンポーザを開くことができます.
選んだコンポーザの複製 (1つのプリントコンポーザが選ばれている場合のみ): 選んだコンポーザをテンプレートとして新しいコンポーザを作成します. 新しいコンポーザのタイトルが聞かれます.
コンポーザの改名 (1つのプリントコンポーザが選ばれている場合のみ): コンポーザーの新しい名称を指定することができます. また上部一覧の中の名称をダブルクリックしても名称変更が可能です.
コンポーザの削除: 選択されたプリントコンポーザ (複数可) がプロジェクトから削除されます.
コンポーザマネージャでは, 新しいプリントコンポーザを空のコンポーザとしてまたは保存したテンプレートから作成することもできます. デフォルトでは, QGISはテンプレートをユーザディレクトリ (~/.qgis2/composer_templates) またはアプリケーションディレクトリ (ApplicationFolder/composer_templates) から探します. そして可能なテンプレートをコンボボックスに表示します. 追加 ボタンをクリックすると, 選択したテンプレートが新しいコンポーザの作成に使用されます. また, コンポーザテンプレートは他のフォルダに保存することもできます. テンプレートリストの 特定の テンプレートを選ぶことにより, テンプレートが選択されて新しいプリントコンポーザが作成されます.
プリントコンポーザを開くと、プリントオプションで使用する紙面としての空白のキャンバスが表示されます. 初期状態ではキャンバスの左側にマップコンポーザアイテム(すなわち現在のQGIS地図キャンバス,テキストラベル,イメージ,凡例,スケールバー,基本図形,矢印,属性テーブル,HTMLフレーム)を追加するためのボタンが表示されています. またこのツールバーには画面操作として指定領域ズームインやコンポーザビューのパンのためのボタン,それから地図コンポーザアイテム選択と地図アイテム中のコンテンツ移動のためのボタンがあります.
Figure_composer_overview ではエレメントが追加される前の初期状態のプリントコンポーザが表示されています.
Figure Composer Overview:
キャンバスの右には2つのパネルがあります。上のパネルには アイテム と コマンドヒストリ タブが,下のパネルには コンポジション, アイテムプロパティ と 地図帳の作成 タブがあります.
アイテム タブではキャンバスに追加されたすべての地図コンポーザアイテムの一覧が提供されます.
コマンドヒストリ タブではプリントコンポーザレイアウトに適用されたすべての変更の履歴が表示されます. マウスクリックでステップを特定の状態まで前進後退させることにより,取り消し,再実行が可能です.
コンポジション タブを使うと紙のサイズ,方向,ページ背景,ページ数,それから出力ファイルの印刷品質をdpiで指定できます. さらに ラスタとして印刷する チェックボックスを有効にすると,PostScriptやPDFとして印刷または保存する前に,すべてのアイテムがラスタへ変換されます. またこのタブでは,グリッドとスマートガイドの設定を行うこともできます.
アイテムプロパティ タブでは選択されたアイテムのプロパティが表示されます. まず アイテムを選択/移動 アイコンをクリックし,キャンバス上のアイテム (例 凡例,スケールバー,ラベル) を選択します. それから アイテムプロパティ タブをクリックして選択されたアイテムの設定を修正します.
地図帳の作成 タブでは現在のコンポーザに地図帳を生成し,そのパラメータへのアクセスを可能にします.
プリントコンポーザウィンドウの一番下にはステータスバーがあります,そこにはマウスの位置,カレントページ番号,ズームレベルを指定できるコンボボックス,可能なら選択したアイテム数,地図帳作成時にはフィーチャ数が表示されます.
プリントコンポーザウィンドウの上部にはメニューと他のツールバーがあります. メニューとツールバーにすべてのプリントコンポーザツールがあります. ツールの一覧は table_composer_1 を見てください.
ツールバー上でマウス右ボタンを使うか,メニューの または を使い,ツールバーやタブの表示をオン/オフできます.
コンポジション タブで現在のコンポジションの全体的な設定を定義できます。
Figure Composition 1:
プリセット から出力用紙を選択できます, またはカスタムの出力用紙として 幅 と 高さ と 単位 を指定できます. またページの 方向 を選ぶこともできます.
コンポジションは複数のページに分割可能です. たとえば最初のページに地図キャンバスを表示し, 2ページ目にレイヤの属性テーブルを表示, 3ページ目にあなたの組織のウェブサイトにリンクするHTMLフレームを表示することが可能です. ページ番号 に必要なページ数を指定してください. また ページ背景 に好みの色やシンボルを指定できます.
ページサイズオプションはコンポジションのすべてのページに適用されます. しかしオーバーライドオプションで定義される値を使って修正も可能です (データで定義されたプロパティ上書きボタン 参照).
ページの大きさを内容に合わせる ツールでカスタムページサイズも設定することができます. ここでは独自のページコンポジションを作成し, 現在のコンポジションの内容に合わせたサイズ (独自のマージンを含む) に変更できます.
出力の解像度 ですべての出力マップで使用される解像度を設定できます. ただしこの設定は地図の出力のたびに更新されます. ラスタとして印刷する とは, 印刷やPostScript, PDFとして保存する前に, すべての要素をラスタ化するということです.
ワールドファイル をチェックし地図アイテムを選ぶことにより, イメージファイルを出力する際にワールドワイルを作成します. ワールドファイルは同じ名前を持つ別ファイルで, ジオリファレンス情報を含んでいます.
Figure Composition 2:
コンポジション用紙に, 配置に参考となる参照マークを挿入することができます. マークは:
メニューの設定でグリッドやガイドが表示されますが, コンポーザアイテムにスナップするかを指定することもできます. ガイドとグリッド セクションで グリッド間隔, グリッドオフセット, スナップ許容値 を必要に応じて設定できます. 許容値とはアイテムがグリッドやガイドにスナップする最大の距離です.
Figure Composition 3:
QGISメインキャンバスの でも, スタイルや色と同様に, 間隔, オフセット, スナップ許容値を設定できます. これらのオプションは新規プリントコンポーザのデフォルト値として使用されます.
レイアウトの作業中, 変更の取り消しと再実行が可能です. これは取り消しと再実行ツールで行うことができます:
最後の変更を戻す
最後の変更を元に戻す
この操作は:guilabel:コマンドヒストリ タブ (figure_composer_1 参照) をマウスクリックしても可能です. ヒストリタブではコンポーザでの最近の操作が一覧表示されています. 操作を戻したい場所を選択し, 次に新しい操作を行うとそれ以降の操作が削除されます.
Figure Composer 1:
タブで, アイテムの選択および表示を管理するオプションが提供されます. プリントコンポーザキャンバスに追加されたすべてのアイテムが一覧に表示されています. アイテムを選択すると一覧の対応する行が選択され, 一覧の行を選択するとプリントコンポーザキャンバスの対応するアイテムが選択されます. これは他のアイテムの後ろに隠れているアイテムを選択するのに便利です. なお選択された行は太字で表示されます.
選択されたアイテムに対し:
アイテムが正しい位置に配置されたら, カラムのボックスをチェックしてロックすることができます. ロックされたアイテムはキャンバスで選択 できません. ロックされたアイテムは:menuselection:アイテム タブで選んでチェックを外すか, ツールバーのアイコンを使って操作します.